対談後記
ある時、キャロルの解散ライブのテレビ番組を観ていると、生意気な少年が出ていた。
それが少年時代の公平だと知った時は相当感動した。
まだ10代前半だと思うけど、“僕も同じ音楽やってるんで”とか何とか言っていた。
その映像が今回のインタビューをしていて鮮明に甦ってきた。
土屋公平と出会ってから早もう10年が過ぎた。
何故か公平との年月はほとんど距離感を感じさせない。
僕の中にはいくつかの人間のタイプが存在している。
例えば、内股人、ロングヘヤー人、猫っかわいがり人などなど。
その中に公平人、というジャンルがある。
それは不思議の国から来たジャンルの人間だ。
公平に接するといろんな不思議な事を発見する。
彼と初めて逢って驚いたのが予想を越える長身である。
いつも静かな公平の口からでるユーモアはとてもとてもおもしろい。
かと思うとあの美しい顔の奥には誰にも負けない頑固さを垣間見る時がある。
何がおかしいのか急にニコニコして笑い出す時がある。
そしてそしてステージ上でのあの華麗なプレイと汗の量。
確か93年の麗蘭の新宿パワーステーションでのライブで僕は公平サイドでカメラマンをやったことがあり、その時に公平のライブの凄さはこの汗にある、とか考えてずっとしたたり落ちる汗を撮って、後で編集で全然使えなかった悲しい想い出がある。
今でもあのステージ上でのテンションは感動する。
本当に楽しそうな体でギターをきざむ。
チャボさんの横で、ハリーの横で、甲斐さんの横で、PJの横で、吉田さんの横で。
あのギターのカッティングする姿勢はテンションがあがるごとにどんどん低くなっていく。
それは誰にもマネの出来ないオリジナルだと思う。
いつまでも低くなっていて欲しいと思う。
そして僕も低くなって撮り続けていきたい。
THANK YOU 公平!!
林ワタル
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